SENSHU RUGBY 2019 ~ いよいよ黄金世代・郡司組の最終戦。勝って春季大会Bグループ昇格だ!


日大戦を前にした少なからぬ専大サポーターの心境は以下のようなものだったのではないか。

昨年は攻守に圧倒されて完敗(10-47)。
今年のジュニア戦も完敗(27-52)。
日大は東海にこそ負けたが、流経、法政、大東に勝って2位をうかがう勢い。
前節、中大は日大に惨敗(83-5)。
以上のような要素を鑑みると、大学選手権出場がわずかに残っているとはいえ、非常に厳しいゲームになるのでは……。

結論からいうと、この前提が間違っていた。
確かに今季の日大は強力な留学生を擁し、近年のリーグ戦の勢力図を塗り替えつつある存在となったが、専大もまた着実に強くなっていたのである。


とはいえ、ゲームの入りはサポーターの懸念通りの展開となった。
自陣でのマイボールスクラムからコラプシングの反則を取られると、ラインアウトから攻め込まれて11分にゴール真下にトライを許す(ゴール成功)。

その4分後には自陣からのアタックでミス。イーブンボールを13番フレイザー・クワークに拾われてトライを許してしまった(ゴール成功)。
この時点で早くも日大に大きく流れが傾きかねない状況になる。
が、この後、夏井大樹のラインブレイクから日大陣に深く入り込むと、29分に日大ゴール前のマイボールスクラムから片岡があっさりとディフェンスの隙間をすり抜けてゴール真下へトライ(ゴール成功)。
もう一本、トライを取って追いつきたいところだったが、34分に8テビタ・オトにゴールラインを超えられてしまい前半は7-21で終了した。


後半、なんとしても先手をとって点差をつめたい専大。だが、日大のフィジカルにものをいわせてアタックを止められず45分にトライを許して7-26(ゴール不成功)。
点差は許容範囲ギリギリのところまで広がった。
ここで専大は西小路に代えて坂本を投入。すると3分後、日大陣22Mラインでのマイボールラインアウトから坂本→山極とつないでトライ(ゴール成功)。

これで完全に流れを掴んだ専大は、スクラムでも優位に立ち始めた。明らかに戸惑いの色を浮かべる日大。しかし、流れは自分たちにあるのにミスでこれを手放してしまう展開が続く。それでも、このミスを再び自力で取り戻すと61分に日大ゴール前でのFW、BK一体となったアタックから前半と同じように片岡が抜け出しトライ。21-26と5点差に迫る。
もはや誰の目にも専大と日大の力が拮抗していることは明らかだった。
だが、残念ながら専大の反撃もここまで。67分にゴール正面でのペナルティゴールを決められる(21-29)と1TGでは追いつけない点差となり必死のアタックも実らずにノーサイドとなった。


専大としてはミスが多かったことが悔やまれるゲームだった。
が、それ以上に筆者が悔やまれるのは、自分が最初から「勝てる相手」と確信を持てなかったこと。
実は専大の力は日大に引けをとっておらず、村田監督は勝利に向けてキッチリと勝てるチームに仕上げてきた。が、筆者のような専大サポーターのみならず(大げさにいえば)一般のラグビーファンまでが「この試合は日大が相当に有利だろう」という先入観を持っており、その空気がピッチ上の結果まで支配してしまったように思うのだ。
その意味で、選手諸君にはサポーターとして本当に申し訳なかったとしか言いようがない。
一方の日大のサポーターは「負けるわけがない」と思って競技場にやって来ただろう(それだけに彼らもまた想定外の展開にあわてたことは間違いない)。その差が最終的な点差に出たように思う。


このゲームは筆者としては、チームの力を信じることの大切さを思い知らせれた一戦だった。
郡司組の4年間を振り返れば、1年目こそ2部3位だったが、2年目は2部優勝→1部再昇格。3年目は法大と中大に勝って1部残留と着実にステップアップしている。
厳しいウェートトレーニングの結果、身体も格段に大きくなり、もはやリーグ戦や対抗戦の上位チームとも戦えるだけの体力がある。
今季は残念ながら大学選手権出場はならなかったが、すでにその資格は十分にあると言っていいだろう。


この黄金世代である郡司組の掉尾を飾る試合は、来年の春季大会を初めてのBグループで戦うための重要な一戦だ。もちろん必死で来る中大をリスペクトしなければならない。が、絶対に勝てる。いまの専大にはそれを信じるに足るだけ積み重ねてきた力がある。その思いを選手、首脳陣、サポーターが共有できれば、結果は自ずとついてくる。
それは決して思い込みではない。なぜなら、彼らはそれだけの努力をしてきたのだから。


関東大学リーグ戦1部 第8週
専修大学 対 中央大学
11月30日 14:00KO 上柚木公園陸上競技場
1.石田 楽人
2.宮本 詩音
3.栗山 塁
4.山極 大貴
5.小笠原 颯
6.西小路 大河
7.佐藤 匠
8.山下 拓真
9.友池 瞭汰
10.片岡 領
11.水野 景介
12.郡司 健吾(C)
13.夏井 大樹
14.夏井 勇大
15.松浦 祐太
16.檀野 友多郎
17.小栗 冬雅
18.森重 慶司
19.西尾 開登
20.坂本 洋道
21.安藤 禎樹
22.平山 壮太
23.檜山 成希
※この試合はSSCのピックアップゲームです。また「上柚木公園陸上競技場をグリーンに! ラグビー部中央大学戦を応援しよう!」という企画のもと、ビッグフラッグの掲出や応援グッズの配布を予定しています。サポーターは緑のものを身に着けて、ぜひ上柚木へ!

上柚木公園陸上競技場

文責:京谷六二